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クリムト 正方形

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晩秋のブナの森。落ち葉を踏みしめ蹴散らし、心ゆくまで歩きまわる。
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森を抜けると、さざ波きらめく湖畔へ。岸辺で日が暮れるまでたたずむ。
そんな優雅な半日を過ごしてみたい。ボーっと生きてんじゃねーよと突っ込まれそうだが。

写真は購入したクリムトの絵画「ブナの森Ⅰ」と「アッター湖」。映り込みを避けるため、斜め45°から撮影して補正。
上下のトリミングと歪曲があります。色合いは届いた物になるべく近づけていますが、本物を見たことが無いので
ご了承下さい。

基本的に馬鹿なので、うんちくを傾けて墓穴を掘りそうですが、少し語りますw

絵画は子供の頃から好きで、構図や色使いが写真の参考にもなるのでよく見るようにしている。
クリムトといえばちょっとサイケでキラキラの妖艶な女性画が好きだが、平穏な風景画にはもっと惹かれる。
風景画はクリムトにとって骨休めに過ぎなかったかもしれないが、印象派やキュビスムの影響を受けながら
非常に緻密に描いている。そしてそのほとんどが正方形のキャンバスで描かれている。

写真で正方形と言えば、今の若い人がインスタなどで慣れ親しんでいるフォーマット。おっさんにとっては
6×6の中判が思い浮かぶ。今となってはデジカメで1:1の画像サイズとか簡単にセレクトできたりする。

若い頃は前田真三に憧れていつかはハッセルでとか思っていたが、勤め始めた若造が買えるはずもない。
なんとか購入したEOS5QDに背伸びしてRVPを詰めて美瑛の丘を撮ってみたりした。しかしまったく撮れなくて
カメラを放り出して丘にも行かなくなった。

3:2でそんなんだから正方形はまったく歯が立たないだろう。縦も横もない正方形はセンスが非常に問われる。
前田真三のような洒落た写真はどうしたら撮れるのだろうか。
一方クリムトは望遠レンズで覗いたような平面的で圧縮された描写をしながら、見事な構図とフレーミングで
広がりや奥行きを想像させる。時の流れを超えて永遠を感じさせるものもある。

クリムト曰く「この画枠を用いると、素材は平和な雰囲気のなかに沈潜する。かくして正方形の絵画は
宇宙の一部となる」

写真は引き算をしながら比較的短時間を切り取るが、クリムトの風景画は大きい時空を切り取って圧縮している
かのようだ。圧縮するには、縦も横もない世界が良いということか。
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貧乏人に絵画の複製は無理なので、ポスターのような印刷画を購入。紙ではなくキャンバス地に印刷された
プリキャンバスというもので、油彩のタッチが少しだけ感じられる。期待はしていなかったが、ちょっと感動した。


参考文献
 クリムト (アート・ライブラリー)                (著)キャサリン ディーン
 クリムト (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)  (著)ジル ネレー
  



by tafu-r | 2018-12-03 22:54 | その他 | Trackback | Comments(0)
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