山頂(右手)を望む。 稜線南側から山頂へ。 山頂から夕張岳と前岳を望む。眼下は水没を待つ鹿島地区。 4月21日は大夕張 (夕張市鹿島) の三等三角点「主夕張 (しゅゆうばり)」849.59m へ。 点名の由来は、shi・yupar (シ・ユーパロ → シューパロ) の意味である 「主たる夕張川」(夕張川本流) からと思われる。 この山は地図がガイドチームさんのHPで登られた事を知り、大夕張についてはこちらのサイトへの 紹介がある。かつてこの山は標高から「八百五十」と呼ばれ、小学校のスキー学習や遠足で登られて 中腹にはヒュッテがあったそうだ。その山頂からの眺めから、是非登ってみたいと思っていた。 写真は分かりづらいが、前岳中腹の望岳台から見える「八百五十」。手前を流れる川は、 夕張川(シューパロ川 北海道実測切図での表記 )。 「八百五十」については、上記のサイト「思い出帖」から「自然」へ入ると項目があり スキー登山等の思い出が綴られている。 ルートは・419 がある南東側の尾根から。尾根末端から山頂方面を見上げる。 山頂は見えていない。正面の沢地形は「宝の沢」。 見えているのは山頂から南の稜線で、右手の斜面から稜線へ上がった。 付近はシューパロダム建設のため付け替え国道に切り替わっており、旧国道は工事車両のみの通行と なっている。車は路上駐車となるが、ガードレールが切れている所にわずかなスペースがあって、 なんとか路側帯に納める事ができた。そこには以前の地形図に見られる学校裏手から尾根(大夕張神社跡)へ上がる道があり、 反対側の旧国道側に下りて行くと、夕張市立鹿島小学校跡地と記念碑があった。 「ふる里 大夕張の碑」 大夕張小唄には「八百五十」の名が登場して唄われている。 鹿島小学校・中学校の記念碑。 このあたりは二十数年前に何度か通りかかったことがあるが、ちょっとした集落だった記憶がある。 今は無人で、当時の建造物は川に架かる古い橋のみである。 これらの記念碑は水没を免れるのだろうか。 小学校のグラウンドから山頂方面を。ここからも山頂は見えない。手前は・419 尾根で右手にスキー場があったらしい。 尾根上の左手に浄水場と大夕張神社があった。かつて存在した校舎は、グラウンドの左手(南側)に建っていたようだ。 グラウンドのすぐ東側を大夕張鉄道が走り、小学校のすぐ北側(自分が撮影している背後のすぐ右手)には大夕張駅があった。 かつての「八百五十」へのルートは、この・419 尾根伝いか「宝の沢」をたどるものだったらしい。 先程の・419 尾根に上がる道へ入り、一度ジグを切ると平坦な広場となる。浄水場と大夕張神社の跡地と思われ、 北側には三菱大夕張炭鉱のズリ山が望まれる。 ・419 尾根の様子。左手が宝の沢でやや深く急峻。尾根上は小さなアップダウンが結構ある。 少し登っていくと、こちらに向かって尾根を降りてくる熊の足跡が。ここから宝の沢へ崖のような急斜面を 降りていっている。 しばらく熊の足跡を見ながら進み、右手から来る作業道に出合う。作業道はいい具合に作られており効率が良い。 熊さんも作業道を利用している。 そのうち山頂南側の崖マークの稜線が見えてきて、 夕張山地主稜線も見えてきた。見上げる芦別岳、シューパロ岳、中岳はガスが取れてきて 山頂からの眺望への期待が高まる。 熊は分岐する北側の作業道から上がって来ていて足跡とは別れる。二度ほど急斜面を上がると 標高 650m 付近から緩やかな疎林の尾根となり、 770ポコと山頂が見えてくる。かつてあったヒュッテはこの辺りにあったのだろうか。 770ポコに上がると、稜線へ上がる急斜面と尖った山頂がドーンと現れる。正面の急斜面にはいたる所に亀裂が 入って、稜線は細そうで雪庇は大きい。果たしてへっぽこハイカーに登れるだろうか。もちろん厳冬期は無理だろう。 小中学生にも、ちと厳しいのではないだろうか。意を決して右端の木立の中を登って行く。雪面は柔らかくツボで キックが良く効く。二日後に登ったSさんの報告ではここを熊が登った足跡があったそう。何しに登って来るのでしょうかw 稜線間近で山頂を。雪庇は発達しておらず容易に稜線に上がれたが、 山頂側は細い稜線に大きな雪庇。亀裂があってかなり怖い。南側も細く険しい稜線が続いていた。 写真は山頂直下。 狭い山頂は高度感たっぷり。東側の眺めは遮る物がなく、夕張山地主稜線の眺めは近くて素晴らしい。 雪庇に注意しながらダメ写真量産。 シューパロ岳と芦別岳。 屹立する中岳。 夕張マッターホルン。 前岳と夕張岳。 滝ノ沢岳と前岳。登山道のある尾根と沢地形が見える。 他には中天狗、小天狗、崕山や幾春別岳などが良く見え、西側は樹林越しになるが冷水山や三等点「本流越」、 北西には樺戸山地、南東に日高山脈が望めた。幌向岳は樹林でほとんど見えなかった。 眼下の大夕張と蛇行する夕張川はこれで見納め。次回があれば広がるダム湖と夕張山地を目にする事になる。 慎重に往路を下山した後は、産業遺産の一部である廃橋巡り。まずは上流にある小巻沢林道橋へ。 重構桁といって軍用組立式の橋らしい。 林道用の橋なので路盤代わりにレールが敷き詰められている。肝心のレールにピントが来ておらずトホホ。 重構桁鉄道橋は現在のシューパロ湖対岸にも見られるが、水没を免れる可能性があるのはこの橋のみだそう。 だが、橋脚が浮いているように見えて先は長くないような気がする。 次は旭沢橋梁へ。付け替え国道の緑橋から旧国道橋の横に錆付いた鋼橋が見える。右手は夕張岳登山口に向かう 建設中の新しい橋。水没する白銀橋に替わる登山者のためだけの橋と言えるが、建設費はどんだけ~ 数年前に旧国道橋から撮影したことがあるが、近すぎて全容を納めるには超広角レンズが必要と悟る。 非常に珍しい構造だそうで、かつての大夕張鉄道にはこの構造の橋が6橋架かっていたらしい。 現在は雪のあるうちに緑橋から降りて近づけるが、自己責任でどうぞということになる。 最後はダム建設のため作られダム建設よって沈む三弦橋。現在は付け替え国道にトンネルができて、 近くから見ることはできない。 ダム完成後には付近にダム展望台などができるかもしれないが、豪雪地帯故に渇水などありようもなく、 水没する三弦橋には二度とお目にかかれないだろう。
by tafu-r
| 2013-04-21 19:50
| 夕張山地
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