お気軽ハイキングのつもりだったが... 稜線東面は、地形図からは想像できない険しい地形だった。 すんごい急斜面を登って稜線に上がると、奥に三角点ピーク。 山頂(三角点)から鷹泊坊主山と ポロシリ山・東太刀別(二等三角点)の眺め。 4月12日は雨竜郡沼田町真布の無名の低山 367.18m へ。真布川上流とポンポンニタシベツ川上流の 間(真布と更新の境界)に位置し、山頂には三等三角点「真布山 まっぷやま」が設置されている。 昨年訪れた二等三角点「東太刀別」498.3m から南に見えて気になっていた。 写真は二等点「東太刀別」から見る三等点「真布山」。 同じく下山時に標高400m あたりから撮影した「真布山」。 北斜面が疎林で眺めが良さそうで、「東太刀別」周辺を 南から見てみたかった。 アプローチは更新のポンポンニタシベツ川右岸沿いの道。両側に水田が広がる町道は 雪解けが進み、最後の可動堰がある所まで車で入ることができた(地形図では 河道がちょっと太くなった堰と擁壁マークのある地点)。 かつて沼田には砂白金の鉱業所が4ヶ所あり、そのひとつはポンポンニタシベツ川流域の 奔々(更新三)にあったらしいが、すっかり水田に置き換わっているようだ。 他は石田の沢(沼田第6)、奔仁(更新二)、多度志(湯内)にあった。 幌新太刀別川やポンニタシベツ川のアイヌ語名は poro/pon-nitat-pet ニタッ(湿地、谷地、湿原) ペッ(川)の解釈があるらしいが、 あまいものこさんのHPではこの解釈を疑われている。 車を停めたあたりの緩やかな支尾根に取り付いて、南尾根をたどる お手軽ゆるハイキングのつもりだったが、もう雪が無い。 雪が付いている斜面を求めて上流へと歩いて行く。 少し進むと、真新しい砂防ダムが短い間隔で設置されている。 一番手前の流木捕捉工。奥の突き当りで沢は二股となり、 左手奥の雪が付いてる斜面に取り付くことにする。 二股の右手が本流となり、ヌップの山が近くに見える。 支尾根の奥にはなんだか険しい斜面が見えて、あら大丈夫でしょうかと思うが、 雪解けが進んだ斜面を登っていく。 向こうに険しい斜面が見えてきたが、まさかこの斜面を登る事になるとは思わなかった。 尾根は険しい斜面に向かっていく。 北側の支尾根が間近に見えてくると、 ありゃ~、険しい東斜面に到着してしまった。東面は天塩山地のまさにそれ。 こんな低山でもその特徴を有している。上に見えるはコンタ340m の 南尾根稜線。ここを登るしかない。 とりあえず左手のコブと稜線と間のコルへ上がってみることに。 地形図では等高線は密ではなく崖マークもなく、この様な急斜面 の存在を読めない。地形図も信用出来ないところがあり 油断できないが、たまにあるハズレの面白味もある。 亀裂多い急斜面を恐る恐る慎重に登り、 コルに上がると ヌップの山と鷹泊坊主山の素晴らしい眺め。 ヌップの山のちょうど正面の支尾根には、四等三角点「奔奔山 ぽんぽんやま」344.08m がある。 ちなみに沼田町営高穂スキー場のある山には三等三角点「凡凡」157.08m もある。 (ルビが無いが、所在地は「雨龍郡沼田町上北龍字ポンポン」となっており、読みは「ぽんぽん」と思われる) 沼田町史(昭和45年)では「坊主山を沼田富士と称し町民から親しまれており、 最近夏になるとよく登山する人を見かける」とある。奥深い山だが本当だろうか。 同じく右手と登った斜面。 更に急斜面を登り稜線へ。 登りきって北側に山頂(三角点ピーク)が現れる。 登ってきた支尾根を見下ろす。 北西に留萌ポロシリ山が見えて、 南西側は大展望。遠景は増毛山地。右手中景には玄武岩 351mと 手前の377.7m 峰。(二等三角点「西太刀別」) その麓の一番低い所にほろしん温泉がある。 甚だ興醒めだが、この南尾根上には地形図には描かれていない林道があり、西尾根まで続いている。 林道からすぐ先の右手に取り付いて 緩やかに登れば山頂はすぐ先に。 ここに三等点「真布山 まっぷやま」が設置されていると思われる。 北側の眺めが大変良い。 やや左手正面に二等点「東太刀別」と右手ずっと奥に鷹泊坊主山。眼下を流れる真布川は鷹泊坊主山方面を源とする。 点名由来の真布川は、かつての名が「シルトルマップ川」。アイヌ語では、シルトゥルマㇷ゚(シルト゚ルマㇷ゚)で sir- uturu-oma-p シリ(地・大地・山(古アイヌ語))ウトゥル(の間)オマㇷ゚(~にある・もの(川))と思われる。 流域の地区を「白採真布」と称し明治39年に入植されている。 あまいものこさんのHPによると、鷹泊坊主山(三等点名 白鳥山(シロトリヤマ))のアイヌ名は「シルトゥルヌプリ (シルト゚ルヌプリ)」で、シルトルマップ川等の “流域名” が由来となっているとある。 二等点「東太刀別」の左手遠景は達布山。右手にはぎりぎり大天狗岳 が見えているようだ。 留萌ポロシリ山と沖内山。手前にあるホロピリ湖は見えない。 低山ながら眺めが良かった。雪がしっかりとあるもっと早い時期ならば、 ずっと手前から南尾根に取り付いて、お気軽ハイキングになるだろう。 下山時にもう一度増毛山地を見る。暑寒別岳の手前に信砂岳がよく見える。 その手前はわかりづらいがやや右手に二等点「地破張」。左手の恵岱岳手前に 切り立った感じの三等点「東仁奈良」が見えて、ヌプシャ超えに思いを馳せる。 ルートは良くわからないが、松浦武四郎は石油沢からルシチ峠(東仁奈良北側?) をたどったのだろうか。 南側には、険しい東面の向こうにイルムケップ山塊とコップ山が見えた。 ヌップの山と同様に蛇紋岩が分布する幌内山地を見て、往路を慎重に降りた。 参考文献 沼田町史(北海道) 編集:沼田町史編纂委員会/発行:沼田町役場 1970年8月10日
by tafu-r
| 2015-04-12 20:53
| 天塩山地
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