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ペタヌ山  2013.1.2

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南尾根から山頂部を望む。山頂は中央奥の疎林部分。

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山頂手前で、東側に素晴らしい眺めが広がる。写真は羊蹄から右端の貫気別山まで。

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山頂奥から昆布岳と西昆布岳を望む。

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そして下山途中に豊浦精錬所跡へ。




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豊浦町大岸から眺めるペタヌ山。吹雪いてまったく見えなかったので、下山後に撮影。

1月2日は虻田郡豊浦町のペタヌ山へ。昆布岳・西昆布岳の南に位置するが、
知っている人はほとんどいないであろうマニアックな低山。
最近Web上で山行記などを目にするようになってきた。

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ルートは大岸の小鉾岸川支流ペタヌ川沿いの林道から。・234尾根の東隣りの南尾根へ取り付く。
林道入口には大岸鉱山(小鉾岸鉱山)跡の説明板がある。

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吹雪の中林道を進み、高速道路下のトンネルをくぐると高速道路に沿った道がある。
ペタヌ川を渡ることができるので、南側の四等点「鳥山」含めて周回するルート取りも容易に。

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ペタヌ川上流へと進路を取ると、倒木が多くて少々荒れぎみ。
ちらっと見えた山頂部。天候は急激に回復。

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林道を詰めて実線から破線の徒歩道に変わる所に到着。
徒歩道ははっきりせず、よくわからない。
予定通り右手の尾根に取り付く。

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尾根上は積雪少なく笹を漕ぐ場面があった。

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ペタヌ川源頭部を眺めながら登り、

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平坦になると山頂部が現れる。右手の急斜面にはジグザグとした作業道があり、
それに沿って登ることに。

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振り返ると大岸の海岸と噴火湾が見えてきて、

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登るにつれて南西から西側の眺めが広がる。
幌扶斯山から礼文華峠方面。

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中央に金山。左手奥に丸山。右手は幌内山から続く稜線の南側。
金山は低山ながら山容が魅力的。山名は金鉱が由来だろうか。

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急斜面を登りきると稜線上の小さな台地となり、東側の眺めが素晴らしい。
右手に尻別岳と遠景は無意根山方面。

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洞爺カルデラと徳舜ホロホロ。左中景に早月山。手前は平坦で農耕地となっているカルデラ西外縁。
わかりづらいが旧メジロ牧場が見えている。

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徳舜、ホロホロ、オロオロの三つのピーク。

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洞爺湖中島のトーノシケヌプリとオロフレ山。

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台地から山頂へ。山頂直下は等高線がくっつきそうな急斜面だが、

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実際はたいした傾斜でもなく、難なく登ることができた。

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山頂到着。山頂右手のカンバには、

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本貫気別と同じ青いプレートの山頂標識。設置される二等三角点の点名は「辺多奴」。
点の記での読みは「ペタヌ」ではなく「ベタヌ」となっている。北東側に
ベタヌ川やベタヌ別川があるが、由来は同じなのであろう。
私有地のようであるが(汗)、一応何も無さそうな藪山。


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山頂から有珠山や

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遠景に室蘭岳から絵鞆半島の眺め。
手前中景はアルトリ岬。
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北側の眺めは樹林に阻まれ良くないが、北東側に向かうとなんとか昆布岳・西昆布岳が見える所があった。
左端の三等点「西昆布」に登山者と、麓にトレースが見える。

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山頂から大岸と噴火湾。正面に駒ヶ岳が見えるはずだが残念。ゆったりと大岸の海岸を眺めていると
心が落ち着く。まったく期待していなかったが、このルートは少し変化があり刻々と変わる眺めを楽しめた。

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往路を下山して途中で豊浦精錬所跡へ寄り道。高速道路下のトンネルを出て林道から適当に北側へ向かうと、
ホッパーの様な大きな建物が見えてくる。

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一段下がって。戦時中に閉鎖された精錬所の建造物が、斜面に沿って段々畑の様に並ぶ。

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中に入れそうなボックス状の建物。

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沈殿曹かな。深いプール状になって水が溜まっているかもしれないので、絶対に踏み入らないように。

林道入口の説明板の文字は消えつつある。かすれて読みづらい部分が多い。
「大正十年、この地で金鉱が発見された。掘り出された鉱石は、馬車で大岸駅土場へ運ばれ、
貨車で本州(小坂・日立)の精錬所へ送られた。
昭和十七年、豊浦精錬所が創業され、あらゆる施設が整い活気にあふれた。
戦争が激烈化した昭和十八年、鉱山・精錬所ともにわずか一年余りで閉鎖された」


小鉾岸(おふきし)川流域に点在した小鉾岸鉱山は、静狩金山株式会社として住友鉱業との間に
売鉱契約が成立した後に昭和八年から本格的採鉱となり、秋田県小坂町と茨城県日立町の
精錬所へ積み出されている。

訪問した遺構は豊浦精錬所跡で、日本産金振興株式会社によって創業されている。
しかし、翌年の昭和十八年には「金鉱山整備令」が発令されて金鉱業整理が行われ、
全国の大部分の金山が閉鎖された。

「『大戦中の国際貿易の途絶で、決済手段としての金の必要性が消滅した結果である。
全国の金山労働者は兵器製造の素材となる鉄・銅・石炭等の鉱山へ配転された』
豊浦村からは鉱山従業員とその家族の1218名が消えていった」とある。
昭和十二年の「産金法」にて増産体制となるも、わずか六年での方針転換だった。

因みにかつての地名「小鉾岸 ヲフケシ」は、昭和十年に「大岸 おおきし」へ
字名改正されて、同時に駅名も大岸駅へ改称されている。


参考文献  豊浦町史(北海道虻田郡)  編集者:渡辺 茂  1972.9.30



by tafu-r | 2013-01-04 22:14 | 胆振 | Trackback | Comments(2)
Commented by mero at 2013-01-25 00:44 x
読みながら見ていると山に行った気分になれる写真ばかりです。こんなに展望できるなんて、運をおもちなんですね!ボックスのような建物は廃炉ですかね。
Commented by tafu-r at 2013-01-27 08:58
予報通りだったのですが、ここまで晴れるとはラッキーでした。吹雪いて何度も止めようと思いました。
あの建造物は同じものが並んでまして、何かの土台かもしれません。たぶん金の湿式精錬(青化法)を行っていたと思うのですが、
全体的に複雑な構造でとても興味深い遺構でした。
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